日本との関係が深いソロモン諸島は、南太平洋に浮かぶ大小992の島々からなる小さな国です。
珊瑚礁に囲まれ熱帯雨林に覆われた南の島の原風景は美しく、人々は純朴で日本に友好的だ。
この地に住む外国人や訪れる人々は誰もが魅了されてしまう、それが地球最後の秘境ソロモン諸島。
なのに、日本から訪れる観光客は年間わずか200人程度。
SEEK THE UNEXPLORED:未踏の地を求めて。
ソロモン諸島のあれこれを探ってみました。
ソロモン諸島に日本から行くルートは?どんな国?どこにあるの?
ソロモン諸島の位置関係と日本からのルート↓↓
ソロモン諸島の首都・ホニアラの概略図↓
ソロモン諸島の国際空港は首都ホニアラのホニアラ空港です。
日本からの直行便はありません。
ソロモン諸島と直行便で結んでいるのは、オーストラリアのブリスベン、パプアニューギニアのポートモレスビーです。
他にバヌアツ、フィジー、ナウルで計5カ国になります。
日本からはパプアニューギニアのニューギニア航空を利用したポートモレスビー経由と、オーストラリアのブリスベン経由が便利です。
ソロモン諸島は6つの大きな島と1000ほどの火山島・珊瑚島から成り立っている。
西端にあるショートランド諸島の北西に見えるのは、パプアニューギニアのブーゲンビル島。
わずか9km先だ。
また最東端のサンタ・クルーズ諸島・テモツ州の南東には海を挟んで、これまたすぐのところにバヌアツ共和国が続いています。
主要6島はどれも幅24~56km、長さ92~181kmの大きさ。
これらの主要島はいずれも峻険な山岳地帯が多く、ほとんどが熱帯雨林に覆われている。
島々は環太平洋火山帯に連なっていて、ところによっては未開発の温泉が湧き出て、ときおり地震も発生します。
陸地の総面積は約3万平方キロメートルで、これは岩手県の約2倍、四国の約1.5倍の面積ということになりますね。
排他的経済水域は南太平洋では3番目に大きい135万平方キロメートルにもなり、かつお、まぐろの好漁場として知られている。
かつては大洋漁業(現マルハニチロ)が缶詰工場を経営していたこともあります。
日本とはかなり縁の深い国ですが、邦人観光客は少ない。
ソロモン諸島は年間を通して高温多湿の海洋性熱帯雨林気候です。
赤道の南側に位置しますので、日本とは季節が逆になりますね。
ソロモン諸島の月平均気温は冬に当たる7月が24.8度で、真夏の1月が26.3度と1年を通してあまり変化はありません。
常夏と言える平均気温ですね。
一方雨量には季節の変化があります。
5~10月が比較的雨の少ない乾季で、11~4月が雨季にあたります。
降雨量は乾季の8月では約100mmと東京の11月降水量とほど同じです。
しかし、雨期の3月には約350mmに達します。
天気は変わりやすく、雨期にはしばしば激しいスコールに見舞われますが、サイクロンは数年に一度ぐらいの割合でしか襲来しません。
旅行に行くならば、やはり比較的気候が安定した4月から11月が良いでしょう。
台風が滅多に来ないと言うのも、好材料ですね。
ソロモン諸島には約67万人の人々が住んでいます。
(2019年世界銀行の調査による)
ソロモン諸島にはどんな人々が住んでいるの?
首都ホニアラ市内中心部はいつも大勢の人々でにぎわっています。
アジアなどの後進国のように押し売りや物乞いに遭遇するとか、商店やローカルマーケットで値段をふっかけてくることはほぼありません。
ただし、民芸品を売っている人はそばに来て声を掛けます。
また、商店での計算間違いは時々あります。
一般的に男女とも性格は穏やかで、人と人との距離は近くとてもフレンドリーな市民が多いのが特徴。
知らない者同士でも気軽に声をかけ、笑いあう姿をよく見かけますね。
旅行者に対しては、庶民レベルになると普段英語を使う生活をしていないこともあって、ややシャイで積極的に話しかけてきたりはしません。
だが、一見険しい顔をしている人でも笑顔で声をかけると、ニッコリと笑顔で返します。
市民はとても親日的で、日本人にはすごく好意的に接してくれますよ。
ただ注意したいのは酔っぱらいが多く、酒を飲むと人が変わってしまう者が少なくなくありません。
時には酔っ払い同士の喧嘩も多いので、巻き込まれないように注意が必要です。
民族としてはメラネシア系が約94%で、その他ポリネシア系、ミクロネシア系、ヨーロッパ系、中国系がいます。
公用語は英語ですがピジン英語と言われる共通語があり、国民の多くは日常生活でこちらを使用します。
宗教はキリスト教徒が全人口の95%以上です。
政治的には英国の女王・エリザベス2世を君主に戴く立憲君主制で、イギリス連邦の一員になります。
軍隊はありません。
ソロモン諸島の観光名所は?
日本では観光情報の少ないソロモン諸島。
けれども海、ジャングル、文化、史跡などなど、魅力あふれるみどころは数えきれないほど。
ソロモン諸島へ行くと驚くような体験ばかりで、胸はトキメキ、心は踊るでしょう。
太平洋の島々の中でも人口密度は低く、人の手が入っていない天然のままが多いのは、とてつもない魅力だ。
熱帯雨林と広大な珊瑚礁が広がるソロモン諸島には、古代をしのばせる自然がそのまま色濃く残されているのです。
野生のイルカ、ウミガメ、世界最大の蝶トリバネアゲハ、地熱を利用して卵を孵化させる鳥ツカツクリ、オウムなどをすぐ近くで観察することができます。
正直なところ現地の政府観光局でも「どこに何があるのか、どんな生物がいるのか」すべてを把握できていないのが現状です。
あなたの訪れた島で、まだ誰にも知られていない、驚くような自然との出会いが待っているかも知れませんよ。
ソロモン諸島のおすすめポイントを紹介します。
火山の島を堪能する旅!~サボ島~
ホニアラの北西に浮かぶサボ島。
活火山があるこの島には、未開発の温泉や地熱で雛をかえす珍鳥ツカツクリなど、見どころがいっぱい。
地元のガイドと一緒にプチ冒険の旅を楽しめますよ。
一押しの観光スポットです。
イルカと戯れ、一緒に泳ぐ旅!~サボ島沖~
ツアーボートにイルカが寄ってくる。
そんな経験をした方はいるかも知れませんが、ソロモン諸島では何とその先が待っています。
サボ島のまわりには、人なつっこいイルカが住みついていて、モーターボートにつかまりながらイルカと一緒に泳げちゃうツアーがありますよ。
どうしますか?
どうせなら、イルカと一緒に泳いでみましょうよ。
リゾート地のロマンティックな旅!
ソロモン諸島には素朴で味わい深いリゾートがあります。
ガダルカナル島東端沖にあるタバニププには、イギリスから王子がわざわざ新婚旅行に訪れました。
どの王子?
有名なあのご夫婦ですよ。
今アメリカで暮らしている。
小さな首都を散策する旅!~ホニアラ~
ソロモン諸島の首都ホニアラは、小さいながら活気あふれた町です。
中央市場、クラフトマーケット、博物館、植物園など、首都そのものが南太平洋情緒たっぷりの観光スポットです。
人々も人懐っこく、楽しい出会いが待っていますよ、きっと。
日本にはない、ゆっくりとした賑わいに触れてください。
ソロモン諸島で海鮮料理を食べる旅!
ホテルでも街のレストランでも、そして訪れた村々でも、地元の食材をふんだんに使った心づくしの『ソロモン料理』を堪能しましょう。
有り余る海の幸、トロピカルフルーツからワイン、スウィーツまで。
そして、トロピカルな夜?
大皿にド~ンと盛られた伊勢海老に圧倒されてください。
もちろん洋食や中華も、そして和食党にはメンダナホテル『白梅』があります。
脈々と受け継ぐ伝統文化を楽しむ旅!
ソロモン諸島では、踊りや音楽、そしてあの有名なシェルマネーをはじめ、昔からの様々な民族文化が生き生きと受け継がれています。
そんなロマンチックでエキゾチックな文化に触れられるのも異国を旅する醍醐味。
ソロモン諸島で不思議と神秘を体験してください。
ビーチで地元の人たちに親しむ旅!~ガダルカナル島~
首都ホニアラから北西に延びる幹線道路沿いには、美しい白砂のビーチが数多く点在しています。
ビーチはこの10年で整備が進み、特に週末には地元の人々でにぎわいます。
椰子の木陰で地元の子どもたちが遊ぶのを眺め、南の島の休日をのんびり過ごせますよ。
子どもたちと一緒に遊ぶと、なお楽しい旅になるでしょう。
世界遺産になった島を訪れる旅!~レンネル島~
1998年、太平洋の島々で最初に世界遺産に登録されたのがレンネル島。
ソロモン諸島最南端のレンネル島は、環状のサンゴ礁が隆起した世界最大の島です。
島の東部に位置する汽水湖テガノ湖周辺が、世界自然遺産に登録されています。
ここでは、本当の希少価値に遭遇できますよ。
ソロモン諸島へダイビングの旅!~日本人ダイバー未知の海中~
ソロモン諸島は日本人ダイバーにとって未知の領域。
海中の素晴らしさ、美しさは専門家のお墨付きです。
首都ホニアラ、地方の拠点ショップ、あるいはダイビングクルーズ船で行く珊瑚の海。
圧倒的なソロモン海の青。
世界にはこんな綺麗な海があったのか、そう驚かずにはいられない。
ダイバーなら一度は行かなければ。
カメの聖地に行く旅!~アナボン自然保護区~
コミュニティがカメの保護運動を始めました。
アナボン地区ではボランティアがカメの産卵地を守っています。
ビジターが訪問しても歓迎してくれますよ。
簡素ながら宿泊施設もありますから、人里離れた亀の聖地でレンジャーたちと過ごすのも良い思い出になりますよ。
魚の宝庫ソロモン諸島へ釣りの旅!
フィッシング目的でソロモン諸島を訪れる日本人は、はっきり言って激レア。
観光客用のレジャーボートをたくさん用意して待っているのに。
漁業関係者には太平洋有数の好漁場で知られるソロモン海です。
是非、釣りを楽しんでください。
知る人ぞ知るサーフィンスポットへの旅!
ソロモン諸島には絶好のサーフィンスポットがたくさんあります。
特にイザベル島北岸はオーストラリアでは知る人ぞ知る絶好のサーフィンスポット。
悲劇の戦地を訪れる旅!~ガダルカナル島~
首都ホニアラのあるガダルカナル島北部沿岸一帯には、太平洋戦争の傷跡がいまなお数多く残されています。
遠い南の島で七十余年前に起きた激戦の跡を辿ると、先人たちの声が聞こえるかも。
悲痛な叫びか、勇壮な雄叫びか?
平和の尊さを噛みしめてください。
『仰ぐ夕焼け 南の空に いまだ帰らぬ 一番機』
オリジナルな発見ができる旅!~離島旅行~
ソロモン諸島へ旅する醍醐味のひとつは、定型化された『観光』からはみ出した未知との遭遇だ。
何たって、政府も観光局も各島のどこに何があって、どんな生き物がいるのかを掴み切れていなのだから。
現地の人さえ見たこともない蝶をあなたが発見したり、ツレが新たな植物や絶景スポットを発見する可能性だってあるのです。
本当に心躍りますね。
行く前から、胸の鼓動がソロモン諸島まで届きそう?
ソロモン諸島の治安は大丈夫なの?
ソロモン諸島の治安に関して平常時の不安はそれほどありません。
穏やかな人々が多く、比較的安全な国です。
しかし、近年は国の経済が悪化傾向にあり、企業の倒産が増えています。
それに伴い失業者が多くなり、ストレスからアルコール依存症になる人が出ています。
見知らぬ外国ならどこの国でも言えることですが、できる限り一人で出歩くことのないようにするのが無難です。
バックは肩から斜めがけにして、体の前に置きましょう。
外出する時は必要最小限の現金だけにし、大金は決して持ち歩くことのないようにすべきです。
しかし、穏やかな市民の多いソロモン諸島で暴動が起きました。
ソガバレ首相の退陣を求めるデモの参加者が暴徒化し、首都ホニアラで放火や略奪が起きたのです。
オーストラリアのメディアによると、中国寄り過ぎる外交方針への不満が背景にあるようですね。
ソロモン政府と安全保障条約を結ぶオーストラリアは11月25日、要請を受けて治安維持のため100人以上の軍や警察の派遣を決めました。
暴動は11月24日に始まり、26日も一部の地域で起きています。
このオーストラリア治安維持要員の一部がソロモン諸島に到着しました。
ソガバレ政権は2019年、それまで国交を結んでいた台湾と断交し、中国と国交を結びました。
東部のマライタ州政府は台湾との断交に大きく反発。
デモの参加者の多くはマライタ州の出身とみられます。
同州は台湾との関係が深く、新型コロナウイルス対策の医療品の支援を受けるなどしています。
暴徒は警察署、銀行のほか、中国系住民が多い地域の商店を襲いました。
首都ホニアラのチャイナタウンが狙われ、商店が破壊されています。
今はソロモン諸島に行くべき時期ではありません。
情勢が落ち着くのを待ちましょう。
ソロモン諸島と日本の関係は?
〈アウステン山の山麓にあるソロモン平和慰霊公苑の慰霊碑〉
第二次世界大戦ではガダルカナル島などで日本軍とアメリカを中心とした連合軍との間で激戦が繰り広げられました。
この戦いで日本は投入兵力約3万人のうち、約2万人の戦病死者や餓死者を出すという実に無惨な大敗で終わっている。
終戦からしばらくして1978年にソロモン諸島が独立。
日本との国交も樹立された。
両国の間では友好的な関係が保たれていて、独立前の1977年には経済協力を開始。
日本からソロモン諸島への経済援助総額は累計400億円に達している。
1998年末から激化した部族間抗争による治安の悪化により二国間援助を一時停止し、抗争が終結し
た2004年に支援を再開。
無償資金協力や技術協力を通じ、主要ドナー国として日本はソロモン諸島の開発に大きく貢献しています。
ソロモン諸島の人々が日本人へ友好的なのは、この辺りに由来しているのでしょう。