ある事情を抱え、40後半まで独身を貫いてきたイケメンから突然、結婚するとの知らせが届いた。
年収2000万円を超え、竹を割ったような性格のナイスガイに一体何が起きたのか?
「素敵なバッグありがとう、とっても嬉しい。
男の人から、こんな贈り物いただくの初めてなの」
独身のナイスガイは、この一言に参ってしまったのだと言う。
相手はかなりの美人だから、これまで男性から贈り物をもらったことがないなんてあり得ない。
そうは思っても、知人は『男の人から、贈り物いただくの初めてなの』にすっかり心を奪われてしまったのだと言う。
それほど人は『初めて』の言葉に弱い。
そして、もう一つ男女問わず効果絶大な言葉があります。
メールでも手紙でも時候から始まっては印象に残らない!
相手の心に響く文章とは、突き詰めると個性です。
時候の挨拶からから始まり、お礼の言葉や現状説明を淡々と並べるだけでは読んだ後、全く印象に残りません。
文章における個性とは何か?
それは書く人の感情です、想いです。
これは、メールや手紙、アフェリエイトの広告文、セールスレター、ブログでも一緒です。
心がこもっていない文章は、ホップの利いていないビールみたいなものです。
唐辛子の入っていない、ラー油のようなものです。
油揚げが載っていない、きつねうどんのようなものです。
あなたの感情を、そして相手に対する想いを言葉で表現することです。
そうすることによって、あなたの想いが深く強く、相手の心に突き刺さるのです。
人の脳と心は鏡のような役割も持っています。
書く側のこちらが感情を抑えてしまうと、読む側にも感情は湧き上がりません。
例えば、昨夜初めて二人っきりで食事に行った意中の女性に、お礼のメールを送るとしましょう。
『夕べのイタリア料理、とっても美味しかったですね。
また、ご一緒しましょう』
触ればやけどしそうなほど熱々の二人ならこんな文章でも十分ですが、次あるかないかの微妙な間柄だったら、このメールではGame over になっちゃいますよ。
昨日はありがとう。
とても楽しかったです。
正直、ピザがあんなに美味しいと思ったのは初めてでした。
ゆう子さんと一緒だったから楽しくて、ついワインも飲みすぎちゃった。
お店の雰囲気はゆう子さんに気に入ってもらえるかな、と思って予約したのですが。
もし、気に入ってくれたら是非また、近いうちにご一緒しましょう。
また連絡します。
せめて、このくらいは書いていただきたいものです。
赤線が引いてある『初めて』の言葉をさりげなく入れておくだけで、相手の受け取り方はがらりと変わります。
ゆう子さんから返信があって
「とても素敵なお店ですね」
と書いてあったら、ほぼ次もOKですね。
夕べの食事中にゆう子さんが
「このお店の雰囲気、素敵ね」
と言っていたなら文章が変わります。
「お店の雰囲気、ゆう子さんに気に入っていただいたようなので、近いうちに是非また・・・・・」
とすればよいのです。
あるいは
「昨日のお店、ゆう子さんに気に入っていただいたようなので、次もあそこにしましょうか?
それとも和食にします?」
これはかなり有効なんです、実は。
人間は一つの案を提示されるよりも、AとB二つの選択肢を与えられ方が断りにくい、と言うデータがあります。
オンライン広告やセールスレターでもこの方法は良く用いられます。
同じように『初めて』の表現はセールスや広告文にも有効です。
人間は未知に対しては不安や恐怖心から拒否感が強いのですが、興味を持ち始めたことに対しては逆に初めてが期待感に変わるのです。
『あなたは〇〇によって初めて本当の楽しさを知ることになります』
『△△の素晴らしさ!あなたは未体験ゾーンに突入する」
『初めて』の単語にこだわることはありません。
『未体験』のように類似の言葉を使った表現の方がより強く、訴えかける場合もあります。
このように『初めて』はこちらの喜びや感謝の気持ちを相手に伝える時と、相手をこちら側に誘う場合の両方に有効です。
もう一つ、文中に入れると人の心をビクンと動かさずにはおかない言葉があります。
あなたが取引先の方とゴルフに行き、そのお礼状を書いたとしましょう。
先日はゴルフに誘っていただき、ありがとうございます。
〇〇部長の豪快なティーショットと明るいお人柄には、改めて魅了されてしまいました。
フェアウエーウッドの打ち方を教わり、苦手だったスプーンが克服できて、フェアウエーからあんな手応えのあるショットが打てたのは、これまでのラウンドで初めてのことです。
心から感謝申し上げます。
フェアウエーからロングショットが上手に打てるようになると、ゴルフは数倍楽しくなることを〇〇部長に教えて頂きました。
お陰様でゴルフに対する考え方が、すっかり変わってしまいました。
是非また、ご一緒させていただくことを楽しみにしております。
ポイントは3つです。
・初めてのことです
・考え方がすっかり変わってしまいました
・ありがとうございます
二つ目の『考え方が変わりました』がとても重要です。
これは『初めて』と同じ効果を引き出します。
どちらも相手が特別な存在であることを示す言葉です。
人は誰でも認められたいのです。
あなたと一緒だったから、これほど楽しかった。
考えが変わるほど大きな影響を受けた。
これほど相手を認める言葉はありません。
相手の承認欲求を満たしながら、相手ほめて満足感を与えるのがこの二つの表現です。
そして、メールや手紙にはできる限り、個人名も入れてください。
部長⇒山田部長
社長⇒竈門社長
これも承認欲求の一つです。
以前の記事に書いた『生命8つの躍動』の8番、『社会的に認められたい』がこれに相当します。
『〇〇に対する考え方が変わりました』や『モノの見方が変わりました』などは、セールス文にも使えます。
これを知ると△△に対するあなたの考え方は、がらりと変わります。
〇〇を体験すると、あなたは✖✖の見方が180度変わるでしょう。
「ありがとうございました」より「ありがとうございます」の方が他人行儀でなく、親しみを感じさせます。
過去形よりも現在形が相手に響くのです。
よく言われるのが
「お客さん目線で文章を書け」です。
だが『お客さん目線』、これほど簡単なようで難しい言葉はありません。
目の前にいる人が何を考えているのかさえ難しいのに、見えないお客さんの考えと同じになるなんて至難の業です。
だが、人間は感情が働くと行動したくなるものなのです。
これは一人として例外はありません。
冷静だ、論理的だと見られている人でも、結果的に行動に駆り立てるのは感情です。
『欲しい』『食べたい』『怖い』『辛い』『楽しい』『愉快だ』などはすべて感情です。
くどいようですが、人は感情で動く。
これを知っていれば、必然的に人の感情を動かす文章を書くようになります。
『初めてです』『人生観が変わりました』などは読み手の感情を大きく揺さぶります。
お客様の目線を必死に考えるより、人間を動かす感情に重点を置いたコピーライティングに注力するべきです。
以前にも書きましたが、人は何を求めどんなことに感情を動かすのか?
以下の8つを覚えておくと間違いはありません。
『生命8つの躍動』はそれほど大事です。
文章を書く上で決して忘れないでください。
1、生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい
2、食べ物、飲み物の美味しさを味わいたい
3、恐怖、痛み、苦しみ、危険を免れたい
4、性的に交わりたい
5、快適に暮らしたい
6、他人に勝り、世の中から後れを取りたくない
7、愛する人を気遣い、そして守りたい
8、社会的に認められたい
自分の扱う商品が『生命8つの躍動』の何番目にかかわっているのかを知れば、自ずと訴えるべきポイントが浮かんでくるはずです。