小樽中央市場『Tea Three』のコーヒーは珠玉の琥珀色

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Tea Threeのコーヒーがとっても美味しい。

琥珀色したまろやかさを一度飲味わったら、きっとあなたも魅了せれてしまうだろう。

 

店員さんが丁寧に心を込めて淹れてくれるこの味、この風味が一杯260円なのだから、コーヒー好きにはたまらない。

Tea Threeのコーヒーがとっても美味しい、その理由は?

小樽駅から徒歩3分ほど北へ歩くと中央市場がある。

あの有名な船見坂の真下に立地し、4棟の建物が小樽港に向かって細長く1列に立ち並んでいる。

 

ちょっとややこしいのだが、正確に言うと4棟のうち船見坂から見て一番手前の建物は『中央卸市場』で残りの三棟が中央市場である。

 

中央市場の運営母体が小樽中央市場協同組合、中央卸市場は小樽中央卸商業協同組合が運営母体である

 

昭和時代は小樽で最も賑やかで繁盛したマーケットであったが、時代の流れに翻弄されながら数々の出来事に遭遇し、元々は一緒だった組織が何時しか二つに分かれたようだ。

 

それでも、狭い道路を挟んで棟続き同然に営業をしているのだから、今も二つの市場は交流があるのだという。

その中央市場3号棟中ほどにTea Three・ティースリーは静かなたたずまいで営業している。

 

以前から道路に面したドアに『コーヒー250円』の小さな看板がぶら下がっていたので気にはなっていたが、店を覗いたことはなかった。

 

水曜日のある日、小樽駅近くで散歩中の知人と偶然遭遇した。

「久しぶりだからお茶でも飲もう」

となって、知人が散歩の途中で時々立ち寄るのだ言うTea Threeに連れて行かれたのだった。

通路に沿った店舗入り口の棚には縦長の袋が整然と並んでいるが、ハーブティ、フルーツティ、紅茶などお茶類だ。

正規販売店や会員サイトでしか手に入れられない貴重な品々も並んでいるのだという。

 

喫茶コーナーは陳列棚の奥にあり、暖簾をくぐると左側の壁にベンチ式の椅子が備え付けられ、右側がカウンターになっている。

カウンターと言っても座席はなく、中でコーヒーを淹れたりパンを焼いている。

 

座席は1列しかなく木製のテーブルが二つ置かれ、どんなにぎゅうぎゅう詰めたって、大人6人くらい座るのが精いっぱいの小さな喫茶店だ。

 

以前はコーヒー250円の看板がドアにぶら下がっていたが、現在は260円になっていた。

その260円のコーヒーを頼んだ。

 

ゆっくりと抽出し、テーブルに出されたコーヒーカップを手にすると独特の穏やかな香りが鼻を包み込み、一口含むとまろやかさがあっという間に舌を捉え口中に広がる。

とても美味しいコーヒーである。

 

程よい苦味はあるが渋みはほぼ感じない。

舌になじむまろやかさと気持ちを落ち着かせるような穏やかな香りは独特で、逸品と言えるだろう。

筆者のようにアメリカンコーヒーを好む者には、この上ない上等のコーヒーだ。

 

知人はこのコーヒーにミルクを混ぜ、砂糖をスプーン1杯分落として飲むのであるから、あゝ、何ともったいない。

これはブラックで飲むべき珈琲だ。

 

ブラックと言えば、カップの底が見えない濃い色を連想してしまいがちだが、Tea Threeのコーヒーはカップの底が見え、これこそまさに琥珀色だ。

中世ヨーロッパ貴族が憧れた琥珀色のコーヒーも、このような優しい香りを漂わせていたのだろうか。

その昔、珈琲はごく限られたイスラム教の修道者だけが飲むことを許された秘薬だったと言われている。

 

しかし、アフリカからヨーロッパへ秘かに渡った琥珀色の飲み物は、たちまちヨーロッパ貴族を虜にした。

 

16世紀には細々と極一部の貴族間で愛飲されていたが、17世紀になるとアフリカ北部に攻め入ったオスマントルコによって持ち込まれ、欧州全体に広まったのだ。

 

そうはいっても、現在のように大量生産されていたわけではないので値段が高く、庶民にはまさに高根の花。

もっぱら貴族の贅沢品として重宝されたようだ。

 

中世の欧州貴族にとってワインの赤とともに彼らの地位と権勢の彩に欠かせなかった存在が、コーヒーの琥珀色だったのかも知れない。

ちなみに紅茶が飲み物として認知されるようになったのは、19世紀に入ってからだ。

この日、美味しいコーヒーを淹れてくれたのが北山さん。

とても愛想のよい女性だ。

女性の年齢ほど分かりずらいものはないので、ここでは29歳から39歳くらいとしておきましょう。

 

『小樽的な接客』と揶揄されるほど小樽のサービス業は無愛想な人が多いので有名だ。

実に不名誉なことである。

実際にTea Threeが入居している建物の隣り、中央卸市場のある店などは客を敵視するような応対であるから驚きだ。

そんなに人と話のが嫌ならなぜ小売業をやるのか、どう考えても不思議だとしか思えない。

 

お客様は神様です、も行き過ぎではあるが客を敵視する商売など論外で、存続するはずもあるまいに。

 

あのような人々を見ていると愛想や柔和な表情はとても大切なのだと、自戒を込めて思わざるを得ない。

このTea Threeの北山さんはそんな小樽的な接客とは無縁の方である。

とても感じが良く、質問にはまったく嫌なそぶりを見せず丁寧に答えてくれるし、コーヒーを淹れているときなど実に真剣な表情だ。

 

戦前生まれの知人が得意になって昔話をするのだが、北山さんは懸命に話を合わせようとしてくれるから、彼はさらに得意になってしまうのだった。

何やかんやで店を後にしたのは1時間以上経っていた。

そして1週間後の水曜日、今度は一人でTea Threeを訪れた。

やはり北山さんが店内にいた。

 

Tea Threeは北山さんの他に和田店長ともう一人宮崎さんと言う女性がいて、3人が交代で勤務しているのだと言う。

 

北山さんは水曜日と決まっているわけではなく、週に一度だけアルバイトで出勤しているとのことだった。

オーナーは花園界隈で美容院を経営してる方のようだ。

一人いた先客がすぐに帰ったので、まろやかなコーヒーを飲みながら北山さんにあれこれ聞いていると、間もなく二人が暖簾をくぐって入って来た。

 

往年の美女二人であるが、どちらもコーヒーとフォカッチャと言うパンを注文した。

フォカッチャは注文が入ってから北山さんが焼き上げる。

ホッコリと見るからに美味しそうだ。

 

年長の方は中央市場1号棟の2階か3階の住宅に住んでいて、よくTea Threeでコーヒータイムを楽しむのだという。

 

便利な小樽中心地にありながら、とっても静かで住み心地が良くとても引っ越しする気になれず、気が付けば30年を過ぎて住んでいるのだという。

 

二人は本当に長年の仲良しのようで、体をくっつけ合うようにして琥珀色のコーヒーを美味しそうにすするのであった。

 

背筋を伸ばしながら両手を添えて静かにコーヒーカップを口に運ぶ様は、如何にも昭和女性の矜持であろう。

 

そう、Tea Threeは古い市場にはやや似つかわしくない洗練されたいで立ちではあるが、しかしまた、店内は作り立てのお惣菜が匂って来る昭和を色濃く反映したお店でもある。

 

Tea Threeメモ

コーヒー  :260円

フルーツティ:400円

フォカッチャ:160円

営業時間・AM10:00~PM4:00

休業  ・日曜祝祭日・他、市場の休場日

☎   :0134-21-4775

住所  :小樽市稲穂3丁目中央市場3号棟

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