家財の差し押さえは怖くないが銀行口座への振り込みは絶対ダメ!

畑 人生

住んでいる家を競売にかけられた他、家財の差し押さえを2度、預金の差し押さえを2度経験している。

 

家財は生活に必要なものは基本的に差し押さえの対象から除外されるので、大した痛手にはならないが、預貯金の差し押さえはお金を持っていかれてしまうのだから、これはとてつもない打撃になります。

 

家財を差し押さえられて、生活に困ることはほぼありませんが、預金の差し押さえだけは絶対に避けてください。

差し押さえ通知を見た中学生の息子が泣きながら電話

積丹

父の新盆だったので、無理を押して家族全員で北海道の実家に帰省していた。

部活の都合で一足先に東京へ帰った中学生の長男から電話が入ったのは、8月19日の午後だった。

 

電話の声は震えていた。

明らかに泣いている。

 

家財差し押さえの『執行通知書』を手にして電話をかけてきたのだ。

何年か前に中村雅俊主演の『夜逃げや本舗』をテレビで見たことがあり、その時の夜逃げする家族の悲惨な光景を思い出して電話したのだという。

 

中学生になったばかりで、しかも一人っきりのところに届いたおぞましい書面。

親としては本当にいたたまれない気持ちにだった。

 

「大丈夫だよ。

明後日、お父さんが帰ったらきちんと話をつけるから、何も心配いらないよ」

「分かった」

 

1月ほど前に『差し押さえするぞ!』と脅しの文書は届いていたが、こちらは別の記事に書いた通り、債務整理の手続きに踏み込めない事情を抱えていた。

 

東京に帰ると間もなく、執行官から電話が入った。

何月何日何時ころ執行に行くので、その時間帯はできたら家に入れるようにして欲しい。

入れなければ、鍵屋を同行して玄関を開けさせるとのことだった。

 

当日、指定された時間に執行官はやってきて、身分証明書を見せた。

家に入れる前に息子との電話でのやり取りを伝え、執行した差し押さえの一覧表をどこに貼るのか、玄関先で聞いた。

 

「それは、息子さんにはお気の毒なことをしましたね。

一覧表は壁に貼りますから、その上にカレンダーでも掛けてください。

買取の者が来た時に分かれば良いですから」

 

ソファ、サイドボード、洋服ダンスなど合計6万数千円が差し押さえられた金額だったように記憶している。

 

執行官が言った。

「すみませんね、金額が安くて」

 

執行官がそう言ったのは、金額が少な過ぎてこちらの借金が減らないことを心配したからだった。

だが、こちらは後でやってくる買取り屋から、すべて買い戻すつもりだから安い方が好都合なのだ。

 

最も差し押さえられたくなかった車とエレクトーンは対象外だった。

エレクトーンやピアノは素人には価値が分からない。

 

下手な値付けをして、過去に裁判になるなど揉めた例があり、差し押さえ対象から外されたとのことだった。

絵画や彫刻など芸術作品も同様だった。

 

冷蔵庫、洗濯機から鍋などの調理器具、食器、そしてクーラーも生活必需品として除外された。

洋服など日常生活に必要なものも当然、対象にならない。

 

自動車は車体番号を調べるなど面倒な手続きが必要なうえ、費用も掛かるので除外されるのだという。

 

ただし、ロールスロイス、フェラーリなどの超高級車、ゴッホやルノアールなどの名画はその限りではないようだ。

 

何日かして買取り屋がやって来た。

ハンチングを被った、如何にもそれらしい初老の親父と、体格が良くわざと素行が悪そうに見せる30歳そこそこの男二人組だった。

 

執行官がつけた値の約2倍に当たる、13万円弱で買い取れと初老のハンチングが迫る。

口調は穏やかだが、目つきと口元の表情が気に食わない親父だった。

 

こっちは8万円なら買うと突っぱねた。

押し問答していると若いのが喚いた。

「じゃあ、トラックで運んでよそで売っぱらってしまうぞ!」

 

「4トントラック一台で十分だろう」

そう言いながら二階へ駆けあがった。

 

「何だアイツは。

もし、後で二階が荒らされていたら警察だな」

 

『まあ、まあ、旦那。

アイツは前科者でね、おとなしくしていろと言っても、いつもあの通りなんですよ」

 

臭い芝居。

安物のドラマか漫画を見ているようだった。

 

確か板橋から来た業者だったので二人の日当などをこちらなりに計算して、結局、9万円で話をつけた。

と思ったら、どっこい敵もさるもの。

 

「旦那さん、二人の交通費も考えて下さいよ。

あと2千円」

 

こういう言うところは厳しい商売の世界を生きてきただけあって、しぶとく抜け目がない。

何度も修羅場をくぐった跡が目と口元に残っている。

 

二度目はそれから10カ月ほど後だった。

執行官は一度目と同じ人が来た。

 

今度は差し押さえの金額が3万円くらいだったような記憶だが、ハッキリとは覚えていない。

家の中にある家財が以前と同じものばかりなので、三度目はないでしょうと言外に匂わしてくれた。

 

一度目の時の買取り屋の行動について聞いてみた。

「若いのが二階に駆け上がって行ったんですよね。

子どもたちが誰もいなかったからよかったが、いたら怖がりますよ」

 

彼らは裁判所の許可を得て商売しているのだから、何かあった裁判所に通告するといえば何もできませんよ、と教えてくれた。

裁判所の指定から外されることは、彼らに取って死活問題なのだ。

 

二度目で記憶しているのはここまでだった。

買取り屋が来たかどうか全く覚えていないのだ。

 

来たとしても、最初の3流ドラマコンビではないことは確かだろう。

おそらく、すんなり事が運んだので記憶に残らなかったか、商売としてうま味がないから来なかった可能性もある。

 

それ以来、差し押さえは経験していないが、最近は当時とかなり様子が変わっていると思われる。

ネットの普及により換金の仕方や売れるものが変わったのだ。

 

例えば、高級腕時計などは東京都など自治体が独自に押さえてネットで売りに出している。

だが、私の経験から言うと差し押さえされて、生活ができなくなることはありません。

 

一度か二度やらしてしまえば、債権者はもう打つ手がなくなる。

堂々(?)とやってもらうべきだと思う。

 

サラリーマンなら給与の差し押さえもあるが、借金した当時から勤め先が変わっていたら、こちらから教えない限り相手は調べようがない。

 

ただし、税金や国民健康保険は公的機関だから、市町村の関連ですぐ調べられる。

税金関係は逃れようがないと思った方が良いでしょう。

 

そして、家の競売についてはまた別な話になります。

これについはまた改めて書きます。

 

もしも、差し押さえにあった場合は執行官とは仲良くするべきです。

彼らは法律に従って粛々と職務を執行しているだけで、決してあなたと敵対関係にあるわけではありません。

 

彼らの仕事を邪魔したり、厭味を言ってもプラスになることは何一つありません。

穏やかに対応することで、むしろ有益な情報を得ることができます。

 

執行官とて人間、困窮するものには何がしかの同情心はあるものです。

そこをわきまえて対応しましょう。

 

買取り屋は必ず強面でやってきます。

もし脅しまがいのことを言われたら、上記の執行官の言葉を思い出してください。

 

彼らは家財道具はできればあなたに買い取ってもらいたいのです。

小物ならともかく、洋服ダンスのような大きなものは運ぶのに費用がかさむ。

 

差し押さえされた側に買い取らせるのが、彼等の目的です。

言いなりにならずにギリギリまで値段交渉するべきことを、覚えておいてください。

 

生活にそれほど差し障りがなかったなら、買い取らずに突き放すのも一つの手です。

よほど高価なものでない限り、値段を下げてでも買い取っていくれと言ってくる可能性が高いでしょう。

 

差し押さえするぞ!と脅しの通知が来たら、預金通帳はゼロにしておきましょう。

例え、家財の差し押さえであってもそのような状況で預貯金を残しておくのは愚の骨頂。

 

私は預金口座を差し押さえられことが2度あります。

一度は新座市の国民健康保険料の滞納。

もう一度は、ゴルフ会員権のローンの未払い分です。

 

どちらも全く予告なしにやられました。

ゴルフ会員権のローンは売り手と話がついて、支払いはストップされていると思い込んでいたのに、3年もたってから仕事の売上金100万円をそっくり持っていかれてしまったのです。

 

銀行の窓口で確認してもらって、ローン会社だったことが分かりました。

危うい状態になったら、自分名義の口座への振り込みは絶対やめるべきです。

 

保険料滞納での差し押さえは税金の還付金を押えられたものですから、これはもう逃れようがりません。

 

ただ、還付金は9万円くらいで、滞納金は15万円近くあったのですが、差し押さえ後は全く催促が来ませんでした。

 

それどころか、滞納がまだあるにもかかわらず正式な国民健康保険証を発行してくれたのです。

当時、練馬区にも住民税を滞納していました。

 

滞納金の半分くらいは時効直前だったのですが、このころは契約社員をしていましたので定収があり、交渉して毎月1万円づつ払うことで合意しました。

 

ある時、納付書がなくなったので送ってもらおうと区に電話しました。

すると電話に出た担当の女性が、本人であるかどうか確認のため生年月日を教えろと言うのです。

 

本人確認が済むと毎月、約束通りきちんと支払いが続いているので少し減額しましょう、と言ってくれたから嬉しいではありませんか。

 

書面を送るのでよく読んで印鑑を押して、できるだけ早く返送しろと言って電話は切れました。

送られてきた書面を見て、ちょっと驚きました。

 

何と、残りはすべて免除すると書かれていたのですから、そそくさと捺印してその日のうちに投函しました。

 

渡る世間は決して鬼ばかりではありません。

役人だって人の子、人情はあるのです。

 

弁護士などに相談すると家財の差し押さえは社会的信用の低下につながるから、債務整理をするべきだと言います。

 

債務整理には反対しませんが、私のように債務整理できない理由があった場合は、家財の差し押さえを恐れる必要はありません。

 

そもそも、世間に知れるような話ではまったくないので、そんなこと恐れる必要などこれっぽっちもありません。

 

弁護士は債務整理だと商売になるが、家財の差し押さえでは自分の売り上げにはなりません。

ネットで調べるときはその辺を注意してください。

 

私は20億円も借金を背負ったが、今でもこうしてのんきにブログを書いていられるのは、いわゆる街金から一銭たりとも借りなかったからだと思う。

 

今で言う闇金だ。

これには絶対手を出してはいけない。

 

闇金からさえ借りていなければ、サービサー法が整備され債権が暴力団関係者に売られることはなくなった。

 

違法な取り立てはできないし、保証人になっていない限り家族へも請求はできない。

根気よく対応すれば、必ず借金地獄から脱出できるのが現在だ。

 

 

 

 

 

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