聞く人の心にしみ入るような澄んだ歌声の森山良子さん。
とても朗らかで、親しみやすい人柄、そして、ちょっと天然なところもあって素敵な方ですね。
彼女の家系図を見れば、あの歌唱力を誰もが納得することでしょう。
まずは、森山良子さんの華麗なる音楽一家の系譜をたどって見ました。
森山良子は音楽一家で育ち、家族に恵まれて今は幸せいっぱい!
彼女の父はサンフランシスコ生まれの日系2世で、
ジャズ・トランペッターの森山久さんです。
母の浅田洋子さんは、元ジャズシンガーでした。
二人の音楽的センスと才能を受け継いで生まれたのが森山良子です。
さらには従兄(いとこ)には、かまやつひろしがいます。
かまやつひろしも、堺正章らと一緒にグループサウンズのザ・スパイダースで活躍していたミュージシャンです。
ソロになってからリリースした『我が良き友よ』が大ヒットしています。
そして、ご存じ長男が『さくら(独唱)』でおなじみのシンガーソングライター森山直太朗です。
ちなみに直太朗さんの奥さんはピアニストで、森山良子の長女・森山奈歩さんも歌手でした。
長女は今は歌手をやめてお笑いコンビ『おぎやはぎ』の小木博明と結婚しています。
そして、後ほど詳しく触れますが、森山良子の二人目の結婚相手もミュージシャンだったのです。
こうして見ると彼女は、音楽関係者に取り囲まれていることがわかります。
歌うために生まれてきたと言っても、オーバーではありません。
小木博明だけが少し異質な感じもしますが、彼は彼でスパイスのような役割をきっちり果たしているようです。
いつまでも少女のように天真爛漫な雰囲気を残しますが、彼女には二度の離婚歴があります。
一人目の夫が長女・奈歩さんの父親です。
この男性は森山良子と結婚した当時上智大学の学生でした。
良家のお坊ちゃんですが、とってもやきもち焼きで森山良子も手を焼いたようです。
二人が付き合い始めた頃の1969年に『禁じられた恋』大ヒットします。
これで森山良子は一躍人気歌手の仲間入りを果たしました。
当然、テレビの収録が多くなり、地方公演も入ります。
彼女の留守が増えるのは必然です。
だが、嫉妬深い彼は、そんな森山良子が気になって仕方ありません。
学業を放り出して地方公演にまでついてくるようになるのです。
彼女は『禁じられた恋』の大ヒットで、その年の暮れにはNHKの紅白に初出場を果たします。
その楽屋にまで押しかけたというから並の嫉妬深さではありません。
そうこうしているうちに、彼女は妊娠します。
妊娠を機に、1970年4月には正式に婚約を発表し、翌年1月にハワイで挙式を行っています。
森山良子は出産のため、歌手業を休み、やがて長女が生まれました。
だが、このころ彼女の気持ちはすっかり冷めてしまい、彼とは別居生活に入ります。
長女を出産した森山良子は1972年には早くも『遠い遠いあの野原』で歌手復帰を果たしました。
この年もNHK紅白歌合戦に出場しています。
そして別居から4年後、二人は正式に離婚したのです。
離婚報道から半年後、世間が少しざわつきます。
なんと、離婚したばかりの森山良子が結婚を発表したのです。
当時は民法の規定により女性は離婚から、6ヶ月経過しなければ再婚できませんでした。
ギリギリの間隔でしたから、驚いたファンも多かったといいます。
そして、再婚の相手は先ほど少し触れたミュージシャンのジェームス滝さんです。
彼は18歳からナイトクラブでジャズを歌っていました。
その後、グループサウンズに参加しますが、グループの解散に伴いソロデビューを経て、現在はバンドでヴォーカルを務めています。
彼が森山直太朗の父親です。
したがって姉の奈歩さんとは異父姉弟ということになります。
二人目の夫であるジェームス滝は、一時歌手業を中断して森山良子のマネージャーを務めていました。
この時に親しくなり結婚に至ったのです。
だが、この結婚も長続きしません。
互いの価値観の違いを理由に森山良子は二度目の離婚を決断したのです。
ところで、森山良子の再婚相手はジェームス滝さんと名乗っていますが、ハーフやクオーターではありません。
れっきとした日本人です。
息子である森山直太朗がSNSにこのように投稿しています。
「俺の親父は昔グループサウンズをやっていたりしていて、一応ソロ歌手でもデビューしたりもしていた。酒を飲むと自慢にもならないような話を自慢される」
「しかもジェームス滝という、ハーフでもないのに外人さんみたいな名前が組み込まれている大変、残念な芸名なのだ。
しかしながら白いダブルのスーツを着た俺はまさに、そのジェームス滝にくりそつだったのである」
茶化した投稿ですが、これが逆に二人が良好な関係であることを表していて、ほほえましいですね。
噂によるとジェームス滝も直太朗のことはとても大事に見守っているようです。
「酒を飲むと自慢にもならないような話を自慢される」
などと書き込まれていますから、二人は、けっこう頻繁に会っていると思われます。
直太朗と奈歩さんは異父兄弟なのに、とても仲が良いと言われています。
それもこれもやはり、森山良子の人柄の影響が大きいのでしょう。
二人の子どもをおおらかに明るく育て上げ、離婚した元夫と息子が会うことにも決して反対や邪魔をしない。
これは簡単なようですが、離婚経験者にはかなり微妙で難しい問題なのです。
長男が高校を卒業して間もなく離婚した元人気プロ野球選手がいます。
彼はその後、再婚し女の子が生まれました。
やがて前妻が引き取って育てくれた長男が結婚することになり、披露宴への案内状が届きました。
彼は喜んで出席を約束します。
しかし、結婚式当日出かけようとする彼を現在の奥さんが泣きながら引き止めます。
自分との間に生まれた幼い娘より、前妻との長男に夫の気が向いては困るとの思いからだったようです。
彼は必死に止める奥さんに負けてしまい、披露宴への出席を諦めました。
元プロ野球選手は、しばらくの間息子への罪悪感に苛まれたのです。
子どもがいながら離婚した元夫婦の間には様々な問題が持ち上がります。
その点、森山良子はうまくいっている実に珍しいケースです。
二人の子供の育ち方を見ていると彼女の人柄がしのばれます。
長女である奈歩さんの夫が『おぎやはぎ』の小木博明ですが、こちらとの関係も実にうまくいっているようです。
例えば、ある日『おぎやはぎが』パーソナリティを務めるラジオ番組へ森山良子が出演しました。
放送の時間帯は深夜です。
ゲストである義理の母に向かって小木博明の放った一言がスゴイ。
「クソババァ、もう寝る時間だろ」
これに対して森山良子も負けていません。
小木博明に反撃します。
孫を連れてみんなでディズニーランドに行くことになりました。
それで彼女が何か用意するものがある?
と聞いたら小木が言います。
「金だけ用意してくれりゃ、いいよ」
「あまりにも失礼じゃない」
と森山良子は、矢作兼とラジオの向こういるリスナーに訴えるのでした。
こんな会話が平気でできるのですから、実の親子以上の関係と言えるのではないでしょうか。
素晴らしいですね。
鶴瓶が言ってます。
「森山良子さんの家族に乾杯!」
って。
現在、森山良子と小木博明夫婦は代々木上原の二世帯住宅に住んでいます。
左右対称に建てられた家の右と左にそれぞれ住居を構えていますが、互いにしょっちゅう行き来しているようです。
若いころは決して恵まれた結婚生活とは言えなかった彼女ですが、家族に恵まれ、今は幸せ一杯というところでしょう。
さて、いつまでも若々しい森山良子のヒット曲はたくさんあります。
『涙そうそう』は彼女自身の作詞でもあり、『さとうきび畑』と並んで息の長いヒット曲です。
キャンプファイヤーを囲んで良く歌われるのが『今日の日はさようなら』で『この広い野原いっぱい』は音楽教科書に採用されています。
昭和40年代に青春を過ごした方は『禁じられた恋』が懐かしいのではないでしょうか。
あなたのお気に入りは、どの歌ですか?
1948年1月18日生まれで今年74歳を迎えた森山良子さんですが、澄んだ歌声は衰えることを知りません。
感動を与える素晴らしい歌でいつまでも、日本中のファンを魅了してください。