いかに自分の書いた文章を読んでもらうか、ライターには常にその工夫が求められます。
しかし、読者は基本的に
・Not Read :読まない
・Not Believe:信じない
・Not Action :行動しない
ものです。
そこでライターは、読者に読んでもらうことに全力を注ぐ必要が生じます。
自分の書いた文章を読んでもらうために有効なのが『メンタルトリガー』です。
読者を文章に引き込む『23のメンタルトリガー』を紹介しましょう。
「メンタルとは心理」「トリガーは引き金」を意味します。
したがって、23のメンタルトリガーは人間が行動を起こす引き金を意味する言葉です。
23のメンタルトリガーを駆使して、読者の感情を揺さぶってください。
「読む気なんかなかったのに、いつの間にか最後まで読んでしまっていた」
こうなったら、あなたの狙い通りです。
- コピーライターが知るべき23のメンタルトリガー
- メンタルトリガーその1、ストーリー:物語性
- 2、お祭り(event based):イベント
- 3、コミュニティー(community)
- 4、social proof:社会的証明
- 5、scarcity:希少性
- 6、authority:権威性
- 7、anticipation:期待感
- 8、common enemy:共通の敵
- 9、proof:証拠(根拠)
- 10、controversy:炎上
- 11、consistency:一貫性
- 12、interaction:会話(双方向性)
- 13、reciprocity:返法性の法則
- 14、surprise:サプライズ
- 15、likability:好感
- 16、credibility:信頼性
- 17、celebrity:有名人
- 18、reason why:理由
- 19、competition:競争
- 20、take away sale:売り込まないセールス
- 21、simplicity:シンプル
- 22、concreteness:具体性
- 23、emotion:感情
コピーライターが知るべき23のメンタルトリガー
いくら内容が素晴らしい文章でも、読んでもらわなくては何の意味もないし、価値もありません。
少し乱暴な言い方をすれば、ライターは読者に読んでもらってナンボです。
23のメンタルトリガーを有効に使って、読者を文中に引き込みましょう。
メンタルトリガーその1、ストーリー:物語性
ストーリー(stories):物語性
小説や1時間も2時間にも及ぶ映画、ドラマなどなど。
これらをなぜ人は時間と労力、費用まで負担して苦も無く読み、観ることができるのだろうか?
それは「ストーリー・物語」があるからです。
ライターに直接関係があって、広告などでよく見かける例では、
「私も✖✖な生活を送って、▼▼で悩んでいました。」
といった、自分の過去を告白する体験談です。
仮に長いLPであろうとも、このようなストーリーがあるだけで読み手は惹きつけられてしまい、文章の中にのめり込み共感まで得られてしまいます。
繰り返します。
読者の共感を呼ぶには、「私もかつては、あなたと同じだった」ということを伝えるのが大事です。
・私も以前は太っていました
・僕もかつては、とても貧乏で苦労しました
・実は僕もかつてはニキビに悩んでいたのです
などの表現を用いることで、読者の共感を呼びます。
また、LPやセールスレターでは、もっと本格的なストーリー構成が大きな効果を発揮します。
1、主人公を設定(この場合はあなた自身)
2、主人公の前に問題が立ちはだかる
3、主人公を救うために導き手が現れる(このケースで導き手とは、あなたの売る商品です)
4、導き手が主人公に計画や武器を授ける(あなたのすすめる商品が、あなたを苦境から救う武器になる)
5、導き手が、主人公に行動を促す(この商品を使うよう促す)
6、主人公が行動する(実際に商品を使った)
7、成功を収める
このストーリーを読者が自分自身に当てはめてくれたら、当然あなたのすすめる商品を欲しくなってしまいます。
2、お祭り(event based):イベント
1月1日の元旦に始まり12月31日の大晦日まで、地方も都会も日本中至るところでお祭りやイベントが開催されますね。
なぜ、毎年こんなに多く開催されるのかと言えば、日本人にはお祭り好きが多いからです。
世界中どこも似たようなものだと思いますが、特に日本人はその傾向が強いと思われます。
したがって、記事にはお祭り感を出すことが大事です。
「お祭り=盛り上がり」のイメージがありますので、一体感、熱狂、興奮などの演出にはぴったりです。
ライティングでは「さあ、ついに始まりました!!」「さあ、いってみよう!!」などと盛り上げたり、興奮を表す文章で読者を鼓舞しましょう。
Appleの新型iphone発売ではこの手法が用いられます。
3、コミュニティー(community)
「コミュニティー=仲間」ととらえてください。
周りのみんなと同じような行動をとりたい。
日本人は特にその意識が強いと言われています。
生存本能と言っても差し支えないほどです。
あなた自身も学校や勤め先の仲間と同じテレビ番組を見て、その話題でワイワイガヤガヤやったこと、あるいはやりたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
このように、人は基本的に同じコミュニティーに属している仲間と、同じような行動をとりたいと思う潜在意識を持っています。
したがって、読者に「あなたもこのコミュニティーの一員」ですよ、と思わせる演出が大事です。
セールスレターやweb広告での「コメント欄」「購入者の声」「実践した人の声」などがこれにあたります。
4、social proof:社会的証明
あなたは通りすがりや初めて行った町で食事する場合、長い行列ができているお店とガラガラのお店のどちらを選ぶでしょうか。
多くの方は、行列のできる店を選ぶはずです。
「多くの人から支持されている」「繁盛しているから美味しいだろう」このように感じてしまうからです。
その心理を「社会的証明」と呼びます。
LPやセールスレターに「購入者の声」「実践して成果を上げた方の声」を長々と載せるのは、この「社会的証明」による効果を狙っているのです。
「口コミ」「評価」なども同じような役割を担います。
読み手に行動させる『メンタルトリガー』の重要な一つです。
5、scarcity:希少性
『希少性』は実に単純明快です。
「ラスト5個」「数量限定!」「期間は明日まで!」と数が少ないもの、期限がわずかしか残っていないものほど、価値は高いと感じるのが人間心理。
その心理をくすぐるのが『希少性』を訴えるメンタルトリガーです。
それにより
・これはきっと価値が高いはず
・今、買っておかないと損をする
などの心理を引き出すことができます。
人は、このような心理になると行動するものです。
これは、誇大広告にならない範囲、または記述条件で制限がかかっていない場合は、ぜひ活用してください。
6、authority:権威性
権威性に関する例で、最も身近で分りやすいのがお医者さんです。
医師に風邪の診断を受けて薬を処方されたり、治療法を指示されると誰でも無条件で従います。
医者には『権威性』があるからです。
他にも「○○の権威✖✖氏が推奨しています」「▲▲業界のカリスマ○○氏が考案しました」などをよく見かけると思います。
これらはすべて『権威性』を利用しています。
GoogleのSEOでも有効だとされているので、積極的に活用しましょう。
7、anticipation:期待感
LP、セールスレター、キャッチコピー、シナリオ、広告文など、どんなケースでも必ず入れ入れておくべき大事な要素が「期待感」です。
子どものころ遠足や修学旅行の前夜は、ワクワクして寝付けなかったことがあると思います。
今でもゴルフや恋人とのデート前夜は、ワクワクするのが人の心理です。
その感覚を読み手に持ってもらうのが「期待感」です。
読者に将来を期待させることは、ライターの腕の見せ所でもあります。
ドラマの次回予告も、まさしくこれです。
ストーリーは断片的ですが、期待感は最高に盛り上がります。
予告編には禁止されると気になって仕方がない、あるいは中断されたことほど記憶に残りやすい「カリギュラ効果」も盛り込まれているから、なおワクワクさせるのです。
ワクワク感をコピーで表現できたなら、読み手の感情を大いに揺さぶったことになり、行動の誘発へとつながります。
自分はどんなことでワクワクするか、何を期待するかを考えてコピーを書いてください。
8、common enemy:共通の敵
「共通の敵」とは、読み手と書き手、つまり自分と見込み客に共通した『敵』を作ることです。
「売り手+買い手」VS『敵』の構図を作ることにより、団結心を芽生えさせることができます。
さらに、その共通の敵に対抗する物語を提供すると効果はより高まります。
作り出す敵は「読み手が抱える悩みの原因」であるべきです。
例として
収入が少ない⇒会社の経営者、政府の制度など。
かつて小泉純一郎氏は総理大臣時代に「抵抗勢力」なる言葉を駆使して、政府と国民共通の敵を作りました。
これにより、大変な人気を得てやりたい放題でした。
結果、労働者の派遣分野が拡大し、非正規社員が大幅に増えたのです。
日本の労働者の給料が30数年間上がらない、大きな原因となっています。
だが、「共通の敵」を作ったことにより、今でもファンは大勢いるようです。
「共通の敵」には、これほど大きな威力があります。
9、proof:証拠(根拠)
証拠(根拠)はエビデンスとも言われます。
これは、コピーライティングにおいてはとても大事なことです。
「あなたも、私のような贅沢な生活ができるようになります」と書いても、海外旅行の写真もなければ、住んでいると思われる豪邸の写真、身に着けているブランド物などが載っていなければ誰も信用してくれません。
逆に言えばそのような証拠や根拠を示せたら、それだけである程度の信用は得られるということでもあります。
主張には理由や根拠が必要であることを忘れないでください。
このことは、SEO対策でも重要なことですから、覚えておきましょう。
10、controversy:炎上
炎上と言えばTwitterやYouTubeを思い浮かべる人が多いと思います。
マイナスイメージを抱く方も多いけれど、使い方によって『炎上』はとても効果的なメンタルトリガーになります。
人間同士が違う意見でぶつかると大いに盛り上がりを見せるのは、ご存じのとおりです。
盛り上がりは、参加者やオーディエンス(記事を読む人)を集めることにもなり、話題になることは必至。
大勢を巻き込める話題や奇をてらった意見が必要になります。
一度、挑戦してみる価値は十分です。
11、consistency:一貫性
人は一貫性ある行動を支持します。
「変わらぬ意見」「筋の通った行動」を信頼するのです。
その心理を利用したメンタルトリガーが「一貫性」です。
自分の書いている記事内で、主張や意見をころころ変えていては、全く信用されません。
記事に中では、自分の核になる信念は決して曲げないように気を付けましょう。
12、interaction:会話(双方向性)
人は基本的に会話することを好みます。
けれども、記事を書いていると書き手が一方的に話している形になってしまいますね。
昔から、朝礼で校長先生の話が退屈だったのは、あまりにも一方的だからです。
このような記事を読まされると、ストレスになってしまうもの。
ケースにっよっては「あなた」や「・・・・ですね」「そう思いますよね」などを用いて対話型の文章構成も大事です。
また、客様の声や体験者の声を載せるのもその対策になります。
13、reciprocity:返法性の法則
誰かに何かをしてもらったら、お返しをしなければならないと考えるのが人の心理です。
これを「返報性の法則」と言います。
例えば熱心な店員さんがいてパソコンについて長時間かけて細かいところまで、長所も欠点も説明してくれたなら「ここまで丁寧に説明してくれたのに、買わずに帰るは悪いな」と思って買ってしまう心理です。
ただし、これでとても大事なのが「価値ある情報の提供」。
相手に「価値を与える」ことで「対価を得られる」のです。
また、年賀状が来たら、年賀状を出す、Twitterで「イイネ」を押すと「イイネ」が返ってくる「フォロー」すると「フォロー」されるのも、返報性の法則です。
14、surprise:サプライズ
「驚き」「不意打ち」をサプライズと言います。
「え、ほんとに?嘘、まじで?信じられない、ありえない」こういった驚きを発信できるのは効果的です。
まさかあの人がそんなことするなんて・・・というサプライズは見込み客の心理に大きなインパクトを与え、更には共感や親近感をもたらします。
サプライズにより、人の関心を呼び共感、親近感を得ることが大事です。
人をがっかりさせたり、嫌悪感を抱かせるような炎上は逆効果です。
他の記事でも再三述べていますが、万人に受け入られるような文章は、誰のハートも射止めることはできません。
一人か、ごく一握りの人の心を鷲摑みするには、炎上は有効な手段です。
15、likability:好感
人は見た目が9割という本がベストセラーになりました。
人は瞬時に清潔感、話し方、見た目、印象などを判断します。
それを基に嫌感・好感を勝手に抱くものです。
これは文章よりも、対人のコミュニケーションや接客などについていわれることですが、文章でも同じことが言えます。
「〇〇って何のことだかわかんねえ」なんてセールスレターで表現したら、その時点でほぼ読まれなくなってしまいます。
炎上など特別な場合を除き、服装や態度、身だしなみと同じように、文章表現でも好感の持たれる書き方をしましょう。
16、credibility:信頼性
信用は客観的なものです。
信頼は個人的な主観の問題です。
文章では、たくさんの人から信用を勝ち取る事よりも、ペルソナから信頼を勝ち取ることを心がけてください。
人は信頼している人から買います。
信頼は、あなたの誠実さによって育まれます。
誠実さが伝わる文章を心がけましょう。
17、celebrity:有名人
この場合の『有名人』とは、自分が有名人になるとか、有名人を固有名詞に使うとかではありません。
「他(一般人)とは違う」見せ方をすると言う意味です。
誰でもやっている、ありきたりな、同じような、どこにでもある手法で勝負していたのでは、人の関心を引くことはできません。
埋もれてしまいます。
他にはない希少性でアピールしましょう。
有名人は運動能力、歌唱力、描写力、歌唱力、演技力など、どこか一点だけ普通の人と違います。
したがって、コピーや記事も他にはない希少性を演出して、読み手や潜在見込み客の目に留まってください。
「この人ならでは」が大事だと言うことです。
そうはいっても、独自性は難しいもの。
「これはっ!」と思ったコピーや文章構成を真似をするのは、全く恥かしいことでも悪いことでもありません。
ただし、コピペや著作権などの侵害は絶対にやめましょう。
普段から、メモする習慣をつけておくことが大事です。
18、reason why:理由
記事を読んでくれている人の心に「どうして?」が積もり重なると、それがストレストになってしまいます。
したがって文章では「どうしてそうなったのか」の「理由」を必ず説明して下さい。
このサプリは「どうして痩せるのか」、このトリートメントを施せば「なぜ髪は元気になるのか」を説明する必要があるのです。
なぜ、おススメするか、どうして特典を付けたのか。
これについても、きちんと理由を示しましょう。
理由なき結果は信用されません。
理由や根拠を説明できたら一気に信用は高まり、信頼を得られると相手は行動に移します。
19、competition:競争
人は誰でも、他人に負けたくないという感情を持っています。
また、他人が競争する様子を見るのも大好きです。
スポーツ、選挙などに関心を持つ人が多いは、その心理を証明していますね。
このように記事にも競争、レース、コンテストの要素を入れた演出が、読み手に参加意識を持たせることになります。
注目を集める手段として覚えておきましょう。
20、take away sale:売り込まないセールス
売り込まないセールスとは、「売り込み感のない」文章&記事ということです。
別の表現をすると「買わなくてもいいですよ」のスタンスで記事を書くと言うことです。
もちろん誰でも「買ってほしい」という気持ちは持っているもの。
だが、その気持ちを言葉で直接的に表現してはいけません。
「買ってくれ」「買ってください」と売り込みやお願いする態度は絶対に見せないことです。
売り込めば売り込むほど、人は逃げ腰になり警戒します。
こちらが売り込まずとも、相手が「売ってください」「買わせていただきます」となったら、それこそが一流のライターです。
マーケティングの目的はセールスを不要にすることだと、経営学の神様と呼ばれるドラッガーは言いました。
セールス前のマーケティング段階で、セールスが完了している状態を目指せといっているのです。
「売り込まないセールス」の理想です。
21、simplicity:シンプル
昔、高倉健さんのコマーシャルで大きな話題になったのが「simple is best.』。
「シンプル」は文章においても、とても大事です。
誰にでもわかる、読む人に伝わる、これがなければ文章を書く意味がありません。
専門知識を並べ、難解な言葉ばかりを使うのは愚の骨頂です。
「簡単で分かりやすいもの」に人は興味を示します。
シンプルなコピーや記事を心がけましょう。
22、concreteness:具体性
「私はiphoneを使っています」というよりも「私はiphone10の白を使っています」と伝えた方がより具体的です。
「数週間で4㎏ほどやせました」よりも「16日間で5.4kgやせました」と書いた方が信頼性を高めるのが人の心理。
説明が具体的であればあるほど、見込み客は記事の内容を信じるのです。
抽象的なメッセージは、信頼を得ることができません。
大企業や有名ブランドの抽象的な宣伝コピーをよく見かけますが、それはあくまでも企業名やブランド名を多くの人が知っているという前提で成り立っています。
ライターが有名企業のイメージ戦略を真似しても売れません。
23、emotion:感情
人は感情で物を買い、理論で正当化します。
「これ、欲しいなあ」「これを持ったら格好いいだろうなあ」「これを買っちゃおうと」
物を買うときは、必ずその人の感情が動いているものです。
ライターは人の感情に訴えかける文章を書きましょう。
人を動かすのは、理性ではありません。
人は皆、感情で動きます。
理論で説得するよりも、感情を刺激する方がはるかに人の行動を促します。
感情を刺激するとは、即ち読み手に『喜怒哀楽』を想起させることです。