その女性の名は『オリガ・ルイパコワ』さん。
東京オリンピック開会式の入場行進で、カザフスタンの旗手を務めた女性選手がTwitterで話題沸騰。
白鳥をイメージした美しい民族衣装に身を包み、まるで『お姫様』と驚嘆されたオリガ・ルイパコワさんは、一体どんな人なのか?
早速、調べてみました。
カザフスタンの姫は三段跳びでロンドン五輪の金メダリストだった!
白をベースに美しい刺しゅうで飾られた衣装は、首都アルマトイにある国立美術館の専門家が監修し、カザフスタンのファッションデザイナー、ビオレッタ・イワノワ氏がデザインした特注品だ。
カザフの装飾品を愛するデザイナー・イワノワ氏は、一緒に旗手を務めたボクシングのクンカバエフさんとルイパコワさんに対し『二羽の白鳥、幸福の鳥』をイメージしてデザインしたという。
図らずも入場行進で注目されたカザフスタンのお姫様オリガ・ルイパコワさんは、陸上三段跳びでアジア記録を持ち、ロンドン五輪では同種目で金メダルを獲得した紛れもない実力者だ。
彼女の実力と実績は本当に素晴らしい。
これまで出場したオリンピック三大会で、ことごとくメダルを手にしているのだ。
初出場の2008年北京大会で銀メダル、2012年ロンドン大会では金メダル、そして2016年リオデジャネイロ大会では銅メダルを獲得した。
183センチの長身から繰り出す広いストライドで抜群の跳躍力が持ち味だ。
今度の東京大会でも4個目のメダルに期待がかかる。
三段跳びは難しい。
スピード、跳躍力、瞬発力を生む筋力に加えて、リズム感やバランス感覚が不可欠な種目です。
この種目で4大会連続オリンピック出場は、過去にさかのぼっても稀有なことだと思われます。
4大会連続メダルとなれば、史上初かも知れませんね。
オリガ・ルイパコワさんには17歳の長女と9歳長男の母であり、現在36歳。
長女は今年、18歳以下の国内陸上大会で優勝している。
夫も陸上400mの選手だ。
子育てとアスリートを両立させ、今回オリンピック4回目の出場を果たしたのだからすごい。
しかもこの美貌!もう賛美する言葉が見つからない。
そんな彼女は、当然ながらカザフスタン国内では英雄扱い。
ロンドンオリンピックでメダル獲得の後は、彼女をデザインした切手も発売されている。
白鳥のように優雅な白いドレスに身を包んだルイパコワさんが国立競技場に姿を現すと、Twitterに次々と投稿された。
衣装には独特な刺繍が施され、額付近にはティアラのような装飾。
そしてイヤリングのきらめきもテレビ画面でとらえることが出来た。
グッドタイミングだったのは会場に流れる音楽。
人気ゲームソフト『ファイナルファンタジー(FF)』のテーマ曲が流れていたのだった。
これを見たTwitterファンから「これぞリアルFF」などと歓喜の投稿が相次いだ。
カザフ…の時プラカード持った2人が王子様のお姫様のように輝いててFFメインテーマが映えててCGかと思うくらい綺麗だった…
— かにみそ (@KANIMISO_1st) July 23, 2021
カザフのお姫様とFFのメインテーマがマッチしすぎ👸✨
— With (@With21669329) July 23, 2021
オリンピックのような国際的なイベントでの民族衣装はとてもおしゃれで素敵ですね。
民族衣装での入場行進はアフリカ諸国が多かったと思います。
特に日本にはなじみの深いカメルーンの民族衣装は色彩が豊かで、そのきらびやかさが一際目を引きました。
日本も女子は着物、男子は羽織袴。
或いは男女ともに浴衣にうちわでの登場が良かったのでは、と考えてしまいました。
次のパリ大会ではそうしてみたらいかがでしょうか?
JOC会長の山下さん、是非ご一考ください。
さてルイパコワさん、7月2日にはインスタグラムに次のように投稿している。
今日、国家元首である私たちの大統領 とオリンピック選手が会いました。
大統領は私(ルイパコワ)とカムシベク・クンカバエフにカザフスタンの旗を手渡しました。
これは私たちがオリンピックの開会式で旗手になることを意味するものです。
私にとって実に大きな名誉であり、示された高い信頼に心から感謝しています!!!
その時の写真がこちら↓↓
また、ルイパコワさんは、東京オリンピック出場のため祖国を出発する直前に10代の若者たちと対話している。
「私は誰もが困難に耐える力があると思っている。若者の皆さんには新しいことに恐れないで挑戦してほしい」
そのよう語りかけたと言う。
彼女は開会式終了後、カザフスタンのTVインタビューに出演した。
「開会式は祝祭の雰囲気に包まれました。選手として戦う意識は持っていましたが、この雰囲気ででさらに素晴らしい気持ちが芽生えました」
新型コロナウイルスで大会が無観客になったことに複雑な感情を持っていたようですが、開会式の雰囲気でオリンピック参加の意義を再確認したようですね。
自らの衣装について話題が及ぶとこのように話していました。
「今日の開会式では私たちの国の衣装に注目が集まってうれしい。多くの国々の選手たちは私と一緒に写真を撮りたがっていました」
自身の衣装に対する他国選手の大きな反響には実績十分のお姫様も、さすがに驚きは隠せなかったようです。
「多くの温かい言葉もかけられ、すごくうれしいだけでなく、気分もぐっと高まる」
ともコメントしています。
競技について聞かれると次のように答えて、アスリートの顔をのぞかせた。
「簡単に予測はできないけれども、闘う準備はできている」
注目のルイパコワさんは7月30日夜に国立競技場での競技に出場する。
さて、4つ目のメダル獲得成るか?
カザフスタンのお姫様・ルイパコワさんは三段跳びで予選落ち
東京オリンピック女子3段跳びで4大会連続メダルを狙った、カザフスタンのお姫様・オリガ・ルイパコワさんが、残念ながら予選落ちした。
1本目は13メートル66で2本目が13メートル69と振るわず、3本目はファウルになってしまった。
全体24位で上位12人による決勝進出ラインの14メートル21には、52センチ及ばなかった。
カザフスタン国内の陸上大会で優勝した17歳の長女と一緒に、パリオリンピック出場の可能性もあるが、彼女はその質問にはっきり答えなかった。
「まだ決めていませんが、おそらくこの大会が最後になると思う」
少し寂しそうに言い残し、競技場を後にした。
【ルイパコワ選手の主な国際大会での成績】
◆オリンピック
◆世界選手権