会社や自宅に屋内喫煙室を設置しましょう。改正健康増進法により、オフィスやレストランなどは屋内喫煙室の増設が義務化されました。
喫煙者にとってのたばこは、一服の清涼剤のようなもの。しかし望まない受動喫煙に困惑する人もいます。互いに快適であるために、屋内喫煙室が必要です。
会社や飲食店の屋内に喫煙室を増設する
事務所や工場など事業所の屋内に喫煙室を増設することは健康増進法により義務となりました。屋内喫煙所は望まない受動喫煙をなくすためには不可欠な対応措置です。
したがって屋内喫煙所を増設すると言っても、ただ簡単に間仕切りするだけで良いというわけではありません。
受動喫煙をなくすためには、改正健康増進法で定められた基準や条件をクリアしなければならないのです。
屋内喫煙室と屋外喫煙室の違い!
望まない受動喫煙をなくすため、屋内喫煙所の増設は急務です。しかし、受動喫煙法の定めにより施設によっては屋内ではなく屋外喫煙所が義務付けられているところもあります。
屋内喫煙所が許可される施設と屋外喫煙所の設置が求められる施設は以下のようになっています。
分類 | 施設・事業所等 |
屋内喫煙所が必要な施設等 | 事務所、工場、飲食店、旅館、ホテル、映画館、フェリー、鉄道など |
屋外喫煙所が必要な施設等 | 病院、診療所、学校、児童施設、行政機関など |
屋内喫煙室として認められる条件
オフィスやレストランなど事業所に屋内喫煙所を増設するには、法律に定められた受動喫煙対策を施さなくてはなりません。認められるには次の基準3つを満たす必要があります。
・出入口からたばこの煙が流れ出ないように、空気が室外から室内へ「0.2m/秒以上」の風速で流入するようにする
・たばこの煙が室外に漏れ出ないよう、区画された室内の壁・天井などを密閉する
・たばこの煙を排出するため換気設備を設置し、室内の空気を1時間に10回以上入れ替える
望まない受動喫煙を減らすために屋内喫煙所を増設する場合は、これらの基準を達成し条件をクリアする必要があります。
屋内喫煙室を増設して望まない受動喫煙をなくそう
健康増進法に基づき、屋内喫煙室を増設しなければならない理由は、受動喫煙による健康影響を防ぐためです。望まない受動喫煙をなくすための取組が任意から法制化へと変更されたのです。
受動喫煙は健康へ影響を及ぼします。それに関しては、多くの研究が行われています。
受動喫煙の影響が【確実】と判定された病気には、次のようなものがあります。
受動喫煙の影響が確実な病気 | ・肺がん・咽頭がん・鼻腔がん・乳がん・心筋梗塞・脳卒中
・気管支喘息 |
また、妊娠中の受動喫煙は、低出生体重や早産のリスクを高めると言われています。厄介なことに受動喫煙は、たばこの煙に含まれるタールとニコチンの有害物質を多く吸い込むことになってしまうのです。それにより喫煙者を上回る健康被害の可能性が指摘されています。
上記については、厚生労働省の喫煙の健康影響に関する検討会報告書に詳細されています。
屋内に喫煙室を増設する方法
受動喫煙をなくすためにオフィスや工場、飲食店など既存施設の屋内に喫煙室を増設する方法は、いくつかあります。その中で代表的なのが次の三つです。
- 造作壁で増設する
- ユニット型の喫煙ブースを設置する
- パーテーションで増設する
この三つについて解説します。
屋内喫煙室を造作壁で増設する
受動喫煙を減らすために、造作壁で屋内に喫煙室を増設する方法と満たすべき基準は以下の通りです。
・造作壁の内側に断熱材と防音材を入れて、壁紙や塗装などで仕上げる
・造作壁の上部に換気扇やダクトなどを取り付けて、空気の流れを確保する
・造作壁の下部に隙間を設けて、出入口として利用する
・造作壁の出入口にカーテンやドアなどを設置して、煙の流出を防ぐ
ユニット型の屋内喫煙ブースを設置する場合の注意点
屋内にユニット型の喫煙ブースを設置する方法があります。喫煙ブースは空気浄化機能や排気機能を備えた本体と、壁や天井などのパネルで構成されています。パネルは組み立て式とユニット式の二種類です。
工事期間や費用を抑えたいなら、ユニット型の喫煙ブースは有力な選択肢の一つです。工事が不要なものや最短半日で施工できるものがあります。喫煙ブースは、サイズや収容できる人数によって価格が異なりますので、この点も注意が必要です。予算や利用者数に応じて適切なものを選んでください。
屋内喫煙室をパーテーションで増設する
パーテーションで屋内喫煙室を増設するには、換気設備の設置が条件です。パーテーションで屋内喫煙室を増設する方法は、以下のような手順になります。
- 屋内喫煙室の増設場所とサイズを決める
- 屋内喫煙室の増設に既存の天井を利用するか、パーテーションで天井も作るかを検討する
- 屋内喫煙室の換気設備の種類と風量を決め、入口風速や空気清浄機の有無などを決める
- 屋内喫煙室のパーテーションの材質と色を選ぶ
(耐火性や防音性などの性能を決め、デザインなどを考慮する)
- 屋内喫煙室のパーテーションの取り付け方法を決める
(パーティションを固定するのに壁や床に穴を開けるか、接着剤や吸盤などを使うかなど)
このような手順で確認作業をし、屋内に喫煙室を増設する専門業者に見積もりを依頼し、費用や工期などを確認しましょう。
屋内喫煙室の増設は便利で安全な専門業者へ依頼する!
屋内に喫煙室を増設するには専門業者に依頼しましょう。工事業者であれば、どこでもよいと言うものではありません。
専門業者なら、改正健康増進法に基づいた屋内喫煙室の基準や条件を熟知していますので、とても便利で安全です。専門業者は技術的基準や施設の分類に応じた屋内喫煙室の設計・施工・管理を行うことができます。
以上のような理由で、屋内喫煙室の増設は専門業者に依頼するべきです。また、優良業者は喫煙室を増設する際のコストや手間を削減し、受動喫煙防止対策を効果的に行ってくれます。
受動喫煙をなくすため屋内に喫煙室を増設するメリット
屋内に喫煙室を増設すると次のようなメリットがあります。
- 健康増進法を遵守できる
- 望まない受動喫煙を減らすことができる
- 喫煙者が周囲に気兼ねすることなくたばこを吸える
- 喫煙者のストレスを軽減できるので業務効率が向上する
- トイレなど喫煙場所以外での隠れた喫煙がなくなる
このように会社や飲食店などの事業所に禁煙室を増設することは、たばこを吸わない人、吸う人の双方にメリットがあります。また、業務効率の面から会社にもメリットがあります。
受動喫煙をなくすため屋内喫煙室を増設するデメリットは?
屋内喫煙室を増設するとデメリットもあります。何事もメリットがあれば、デメリットもあるもの。デメリットとして考えられるのは、次のようなことです。
- 屋内喫煙室を増設する費用が発生する
- 屋内喫煙室の維持管理に費用と人手がかかる
- 屋内喫煙室を増設するスペースが必要になる
会社や飲食店などの事業所に禁煙室を増設することは、たばこを吸わない人、吸う人の双方にメリットがあり、業務効率の面から会社にもメリットがあります。
比較するとはるかにメリットの方が大きいので屋内喫煙室は、ぜひとも増設するべきです。
喫煙室の増設に関する注意点とトラブル対策
望まない受動喫煙をなくすために喫煙室の増設にあたっては、いくつかの注意点があります。また、トラブルが発生した時の対策も考えておきましょう。
- 屋内喫煙室内及び周辺には必ず消火器を設置する
- 火災や事故の発生防止のため、可燃物や電気設備との距離を十分に確保する
- 喫煙室の使用者はマナーを守る
- 灰皿にたまった吸い殻の消火とゴミの清掃や消火を行う
- 喫煙室内での飲食や携帯電話の使用などは禁止する
- 屋内喫煙室の管理責任者を置く
- 定期的に消火訓練を実施する
このようなことを守り、実施することによりトラブルを未然に防げます。また、万が一トラブルが発生しても、設備や訓練が行き届いていると冷静に対処できるものです。
自宅に喫煙ルームを作るべき理由
自宅に喫煙ルームを作る最も大きな理由は、望まない受動喫煙をなくすためです。自宅で喫煙すると、大切な家族やペットが受動喫煙による健康被害を受ける可能性があります。
喫煙ルームを作ることにより、家族や来客、ペットなどが受動喫煙を避けることができます。
自宅に喫煙ルームを作る方法
自宅に喫煙ルームを作る主な方法としては以下の三つがあります。自宅の広さや予算に合わせて最適な方法を選択してください。
パーテーションで既存の部屋を仕切って喫煙ルームを作る
既存の部屋をパーティションで仕切って自宅に喫煙ルームを作る方法があります。この方法のメリットはサイズや形に制限がないことです。
自宅の広さにあったサイズで作ることができて、壁や天井も好きな色、模様を選ぶことができます。換気設備が必要です。
自宅の喫煙ルームとして喫煙ボックスを設置する方法
自宅の喫煙ルームとして喫煙ボックスを設置する方法があります。この方法のメリットは換気扇設置や内装工事を必要としないことです。電源を確保できればどこへでも設置できます。
デメリットはフィルターの交換などランニングコストがかかることです。タバコの吸い殻処理やフィルター交換もすべて業者に依頼しなければならないものもあります。
したがって、必ず事前に確認しておきましょう。
リノベーションして、自宅に喫煙ルームを作る方法
リノベーションを行い自宅に喫煙ルームを作る方法があります。この方法のメリットは、自分の好みに合わせて広さを確保し、デザインできることです。
また他の用途にも使えるので、生活に潤いを与えます。デメリットは、工事費が高額になることです。
自宅に喫煙ルームを作るメリット
自宅に喫煙ルームを作ると次のようなメリットがあります。
- 家族を受動喫煙から守れる
- 屋外やベランダで喫煙しないで済む
- 他人を気にせず快適にたばこが吸える
- パーティションやリノベーションの喫煙ルームは、他の利用方法もある
- (例えば、ホームオフィスやパソコンルーム、読書スペースや趣味スペースなど)
自宅に喫煙ルームを作るデメリットは?
自宅に喫煙ルームを作るデメリットは次のようなことがあげられます。
- 費用がかかる
- スペースが必要
- 管理が必要になる
自宅に喫煙ルームを作るには専門業者に依頼するほうが安全!
望まない受動喫煙を減らすため、自宅に喫煙ルームを作るには専門業者に依頼しましょう。自宅に喫煙ルームを作る場合、防火と換気が最も重要な課題になります。
専門業者にはそのような難しい課題に対処できる知識やノウハウがあります。見積もりを取って使用する材料や工事過程の説明などをヒアリングして、業者の良し悪しを確認することも大事です。
屋内に喫煙室を増設する方法についてのまとめ
2020年4月に改正された健康増進法は、望まない受動喫煙をなくすために施行されました。屋内に喫煙室を増設し法律を遵守して、たばこを吸う人もたばこを吸わない方も、快適に仕事に励みましょう。
また、自宅に喫煙ルームを作り家族やペットを受動喫煙から守ってください。